

「母が夜中に何度も起きてしまい、こちらも寝不足でつらいんです…」

これは店頭で、40代会社員の長男さんから実際にいただいたご相談です。共働き・同居で、日中は忙しく働く中、“今すぐできる対策”を求めておられました。
夜中の見回りやトイレ介助が続くと、ご本人だけでなく家族まで寝不足になります。放置すれば転倒リスクや昼間の不調が増え、介護者の疲弊にも直結します。
厚労省の睡眠指針でも、まずは生活習慣の整え直しが基本とされています。この記事では、実際の相談事例をもとに、
- 夜中に目が覚める原因の整理
- 家族ができるサポート方法(記録・声かけ・環境)
- 受診の目安と相談先
をやさしく解説します。結論はシンプル。「記録・声かけ・環境」から1つずつ始めることが、家族も本人も安心できる一歩になります。
- 記事更新日:2025年9月13日
- ※役立ったらブックマークして、必要なときに見返してくださいね📌
病院への受診ライン(まず安全を最優先)

長男さんのご家庭でも「どこまで様子を見て良いのか」が大きな悩みでした。次のような場合は、早めに受診をおすすめします。
- 1か月以上の中途覚醒が続き、日中に眠気やだるさが強い
- 激しいいびき・呼吸が止まる感じ(睡眠時無呼吸症候群の可能性)
- 夜間頻尿(夜トイレに2回以上起きやすい状態)が目立つ
- 物忘れや昼夜逆転、不安の高まり(認知症の初期サインの可能性)
- 夜間の移動が増え、転倒の危険がある
まずは結論!
- 家族ができる基本は 記録・声かけ・環境 の3本柱
- 朝の光 → 日中活動 → 就寝前の刺激オフ の流れを整える
- 改善が乏しい/呼吸・排尿・痛みがあるときは医療と連携
👉 すぐ商品を見たい方は おすすめ用品へ
店頭相談から見えた「原因の整理」
長男さんのケースでは、お母様が「夜中のトイレ」と「眠りの浅さ」の両方で何度も目覚めていました。
原因を整理すると、
- 加齢による眠りの浅さ
- 体内時計(概日リズム:体の24時間のリズム)の乱れ
- 夜間頻尿
- 薬や嗜好品の影響
などが複数重なっていました。
1つの原因を直すより、複数を少しずつ整えることが改善につながります。
家族ができるサポート
1) 記録(客観視が第一歩)
長男さんには、まず睡眠記録と排尿日誌をお願いしました。
- 就床・起床・覚醒回数をメモ
- トイレの時刻・量・尿意の強さを記録
👉 3日分でもパターンが見え、医師に相談するときの材料になります。
2) 声かけ(安心感をつくる)
「眠れてないよ」と責めるのではなく、
- 事実→体調を確認:「夜中に目が覚めることが多いみたいだけど、体の調子はどう?」
- 安心の合図:時計を見せる、静かな音楽を流す
- 提案は前向きに:「寝る前はスマホ少し休んで、温かいお茶にしようか」
👉 短いやり取りだけで、お母様の不安が和らぎ、再び眠りにつきやすくなると思います。
3) 生活リズム(流れを整える)
- 朝の光:起床後すぐにカーテンを開ける
- 日中活動:買い物や散歩など軽い運動を就寝2時間前までに
- 入浴:就寝2時間前、38〜40℃で20〜30分
- 就寝前1時間:スマホ・PC・テレビをオフ

👉 僕自身も「夜のスマホ断ち」で、寝付きのよさが変わったのを実感しました。高齢者に限らずおすすめです!
4) 夜の安全(転倒予防を最優先)
お母様が夜トイレに行くたび、長男さんはヒヤヒヤ…。そこで導入したのが足元灯。
- 人感センサー付き・暖色でまぶしくない
- 動線整理:段差・コード・敷物を取り除く
結果、夜の移動が安全になり、家族の安心感もアップしました。
商品紹介・比較

ここで紹介する用品は眠りの“土台”を整えるサポート用品です。効果効能の保証はありません。必ず表示・注意事項を確認し、体調不良が続く場合は受診してください。
目的 | カテゴリ | 選び方のコツ |
---|---|---|
夜の安全 | 足元ライト/常夜灯 | 人感センサー/停電対応/暖色 |
転倒防止 | ベッドサイド手すり/マット | 工事不要タイプ/高さ調整可 |
再入眠サポート | ハーブティー(カモミール等) | ノンカフェイン/寝る前でも安心 |
快適な寝室 | 温湿度計 | 室温26℃・湿度50〜60%/大きな表示 |
家族の負担軽減 | 簡易トイレ/尿取りパッド | 夜間トイレ移動を減らす補助に |
選び方ガイド(ターゲット別)
忙しい介護家族
- “ながら”で続けられる工夫:朝カーテン開け・夕方10分散歩・就寝前の画面OFF
- 1分記録:就床・起床・覚醒回数だけでOK
- 夜間の見守り負担軽減には → 足元ライト/常夜灯 や ベッドサイド手すり が役立ちます。
認知症がある場合
- 手順の見える化:寝る前の行動を毎日同じ順に
- 不安対処:短い会話・音楽・家族写真
- 徘徊リスクがある場合は → 足元ライト+簡易トイレ の組み合わせで夜の移動を減らし、安全を確保
- 気持ちを落ち着けたいときは → カモミールティーなどハーブティー がおすすめ
排尿トラブルがある場合
- 日中はこまめに水分、夕食後は控えめ
- 骨盤底筋体操・膀胱トレーニングを少しずつ
- 夜間トイレ移動を減らしたいときは → 簡易トイレ/尿取りパッド
- 快適な寝室づくりには → 温湿度計 で室温・湿度をチェック
店頭でよくある質問(Q&A)

Q. 夜中に2〜3回起きるのは普通ですか?
A. 高齢になると眠りが浅くなり、夜中に1〜2回の覚醒はよくあります。ただし、頻繁なトイレ・眠れずに起きる・昼間の強い眠気がある場合は、受診を検討してください。
Q. 寝る前の水分はやめたほうがいいですか?
A. 完全にやめる必要はありません。日中にしっかり水分をとり、寝る前は少なめ(コップ半分程度)にするのが目安です。脱水を避けつつ、夜間頻尿を減らせます。
Q.市販の睡眠改善薬は高齢者でも使えますか?
A. ドラッグストアで買える睡眠改善薬(ジフェンヒドラミン塩酸塩配合)は、一時的な不眠に限って使われます。ただし高齢者はふらつき・転倒・日中の眠気が出やすいので、自己判断では長期使用せず、添付文書を確認し、症状が続くときは受診しましょう。
Q. 寝酒をすれば眠れるのでは?
A. アルコールは一時的に寝つきをよくしても、眠りを浅くし途中で目覚めやすくするため、おすすめできません。夜間頻尿の原因にもなります。
Q. 家族自身が眠れないとき、どうしたらいい?
A. 介護する家族の睡眠も大切です。短時間の昼寝/週1回は誰かに頼る/自治体の相談窓口や訪問看護を利用など、自分の休養も意識しましょう。
まとめ(事例から学べること)
長男さんのケースでは、
- 記録をつける
- 安心の声かけ
- 足元灯の設置
この3つから始めただけで、夜間の不安が軽くなり、家族の睡眠時間も回復しました。

合言葉は「記録・声かけ・環境」+必要時は医療。
今日からできる小さな工夫を1つだけ取り入れてみましょう🌙
プロフィール(はる店長)
地域ドラッグストアの店長・登録販売者/薬剤師歴10年以上。睡眠・排尿・認知症の相談を多数対応。**「安全第一→続けやすい習慣→必要時は医療」**の3段階でご家族と伴走しています。
参考情報
回遊リンク
- ② 入眠困難(寝付けない夜の整え方)
- ③ 早朝覚醒(朝早く目が覚める)
- ④ 昼寝が長い→夜眠れない
- ⑤ 夜間頻尿で眠れない
- ⑥ 不眠+夜間徘徊(安全対策)
コメント