

「最近、母が夜眠れないって言うんです…。でも病院に行くほどでもないし、市販薬で何とかならないですか?」

→ こんなご相談、ドラッグストアでは本当によくあります。高齢のご家族が眠れないと、心配になりますよね。でも実は、高齢者に市販の睡眠改善薬を使う際には注意すべき点がたくさんあるんです。
この記事では、
✅ 高齢者に市販の睡眠改善薬は使えるのか?
✅ どんな副作用に注意すべきか?
✅ 医師や薬剤師に相談すべきタイミングは?
をやさしく解説します。
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🗓記事更新日:2025年9月
病院への受診ライン
まず、不眠が続いていたり日中に以下のような症状がある場合、市販薬を使う前に医療機関への相談が必要です。
- 不眠が2週間以上続く
- 倦怠感・注意力の低下・ふらつきなど、日常生活に支障がある
- 睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群の疑いがある
- 他の持病(心疾患・認知症・前立腺肥大など)や多剤併用中
結論:高齢者の市販薬使用は慎重に
- 市販の睡眠改善薬(例:ドリエルなど)は「一時的な軽度の不眠」に限定して使われるもので、高齢者には基本的に推奨されません。
- どうしても試す場合は、使用前に薬剤師に相談し、少量から慎重に使用しましょう。
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ここから先では、具体的な市販薬の種類や比較、高齢者が注意すべきポイント、相談の目安などをやさしく解説していきます。
商品紹介・比較
現在、日本で市販されている睡眠改善薬の多くは、「塩酸ジフェンヒドラミン」という成分を主成分としたものです。
この成分はもともとアレルギー薬に使われており、副作用の「眠気」を利用して一過性の不眠対策に転用されています。
以下の3商品は成分や効能は非常に似ており、価格や形状(錠剤/カプセル)で選ばれるケースが多いです。
主な市販薬の比較例(すべてジフェンヒドラミン配合)
商品名 | メーカー | 特徴 | 高齢者への注意点 |
---|---|---|---|
ドリエル | エスエス製薬 | 最も知名度が高く、ドラッグストアでも手に入りやすい。カプセルタイプもあり。 | 抗コリン作用により、ふらつき・認知機能低下・排尿障害のリスク。緑内障・前立腺肥大の人は使用を避ける。 |
グ・スリーP | 小林製薬 | 錠剤タイプで、白色のフィルムコーティング錠。1回1錠タイプで飲みやすい設計。 | 成分はドリエルと同じ。高齢者では眠気が強く出たり、神経過敏が生じることがあるため注意。 |
ネオデイ | 大正製薬 | 錠剤タイプでコスパ重視の方向け。ジフェンヒドラミン配合で寝つきの悪さに対応。 | 高齢者には副作用が強く出る可能性あり。服用前に必ず薬剤師へ相談を。 |
この3商品(ドリエル・グスリー・ネオデイ)は、いずれも主成分が「ジフェンヒドラミン塩酸塩(50mg)」であり、効果や副作用の傾向に大きな差はありません。
選ぶ際は以下のような基準で選ぶのがおすすめです:
- 服用量:ドリエル・ネオデイは「2錠」、グスリーは「1錠」で完結します。
- 剤形・飲みやすさ:カプセルがよい方、錠剤が飲みやすい方など、お好みで。
- 価格・入手のしやすさ:ドラッグストアや通販サイトで価格や取り扱い状況を確認しましょう。
どれを選んでも、高齢者の場合は「副作用の出やすさ」には十分注意し、必ず薬剤師に相談してから使うようにしてください。
■ ドリエル(エスエス製薬)
ドリエルは、日本で最もよく知られている市販の睡眠改善薬のひとつです。成分は「ジフェンヒドラミン塩酸塩」で、2錠で50mg。これは「寝つきが悪い」「眠りが浅い」といった軽い・一時的な不眠を改善するためのものです。15歳以上の大人が使う薬で、就寝前に1回2錠を飲むのが基本です。
副作用として「翌朝まで眠気が残る」「ふらつき・だるさ」「排尿しにくい」「眼のトラブル」のリスクがあり、特に高齢者は体の反応がゆっくりになるため慎重に使う必要があります。
▶️ 公式製品情報(ドリエル)
■ グスリー(グ・スリーP/小林製薬)
グ・スリーPもドリエルと同じ成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg)を含んでおり、こちらは「1回1錠」で使うタイプです。つまりドリエルの標準量より少ない量で始めやすい設計です。飲むタイミングは就寝前です。色は白で、表面がフィルムでコーティングされています。
高齢者にとっては「薬の量が少ない」のは有利な点ですが、「眠気の強さ」や「その眠気が翌朝残るかどうか」は人によって異なるので、まず1晩だけ試してみるなど注意が必要です。持病がある方は薬剤師に相談を。
▶️ 添付文書(グ・スリーP)- KEGG 医薬品データベース
■ ネオデイ(大正製薬)
ネオデイも同じく「ジフェンヒドラミン塩酸塩 50mg/2錠」を成分とし、15歳以上で就寝前に使います。特徴として、錠剤が比較的小さめ(直径7mm程度)で、飲み込みやすい設計をしています。価格が手頃な点も選ばれる理由です。
ただし、「効果を感じない・眠気が翌朝に残る」こともあり得ます。軽い・一過性の不眠なら使えるけれど、長く続く不眠や日中の支障が大きい場合は医師に相談が必要です。
実際の接客事例

👵「最近、夜中に何度も目が覚めて、朝も眠りが浅い感じがするんです・・・。」

詳しくお話を聞くと、前立腺肥大の持病あり。なのでジフェンヒドラミンは排尿障害やふらつきの副作用があり、高齢者には非推奨と判断。環境改善とハーブティー、睡眠ルーティンの見直しを提案。
選び方ガイド
高齢者がチェックすべきポイント
- 年齢:65歳以上は薬の代謝が遅く副作用が残りやすい
- 持病:緑内障・前立腺肥大・心疾患・認知症
- 他薬:風邪薬・抗アレルギー薬などとの重複リスク
使用時の注意
- 添付文書の通りに使用(1日1回2錠まで)。
- 最初は1錠から試すのが安全。
- 使用は「必要な夜だけ」に限定。
- 飲酒・他薬との併用は避ける。
Q&A

Q:高齢者が市販の睡眠薬を飲んだら、翌朝まで眠気が残るって本当?
A:はい、ジフェンヒドラミンの作用は比較的長く、高齢者では翌朝まで眠気やぼんやり感が残ることがあります。これは代謝や排泄が遅くなるためで、日中の転倒・事故の原因にもなります。夜だけでなく、翌日の活動にも影響が出る可能性があるため、慎重に判断しましょう。
Q:睡眠サプリやハーブと市販薬、どちらが高齢者に向いていますか?
A:高齢者には、副作用の少ない**睡眠サポートサプリやハーブ(カモミール、ラベンダーなど)の方が比較的安全です。ただし、「効果が穏やか」「体質に合う合わないがある」**といった特徴があるため、すぐに眠れるというものではありません。「まずは自然な方法から試したい」「副作用が心配」という方に向いています。
Q:家族がなかなか眠れないようで、市販薬を勧めてもいい?
A:ご家族の年齢や健康状態によります。高齢の方や持病がある方には、市販薬を自己判断で勧めるのは危険な場合もあります。まずは生活リズムや睡眠環境を一緒に見直し、それでも難しければ医師や薬剤師に相談するのが安心です。ご家族の様子をよく観察し、本人の希望も尊重しながらサポートしてあげてください。
まとめ
- 市販薬はあくまで一時的な補助。高齢者にはリスクが大きいため慎重に。
- まずは生活習慣(睡眠衛生)を整えること。
- 不安な場合は必ず薬剤師や医師に相談を。
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「病院に行くほどでもないけど眠れない…」そんな声をよく耳にします。
高齢者の睡眠トラブルは、市販薬だけでなく生活習慣の見直しも大切です。
迷ったら、どうぞ気軽に薬剤師・登録販売者にご相談くださいね 😊
プロフィール
ドラックストア歴10年以上、現役店長×登録販売者。高齢者の相談対応多数。医学的な専門用語を初めて聞く人でもわかるように、優しく解説していきます!
参考情報
関連リンク
- 👉「夜中に目が覚める原因と対策」
- 👉「高齢者の頻尿と夜間の眠りの質改善」
- 👉「高齢者が睡眠薬に頼りすぎないためのセルフケア」
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