

「夜中に階段を上り下りするのが怖くなってきた」

「もし転んだら大事になるのでは?」
こんな不安の声を、店頭で接客しているうちによく耳にします。
実際に60歳を過ぎると、筋力やバランス感覚、視力の低下が進み、暗い中での移動は転倒・骨折など大きな事故につながる可能性があります。家庭内事故の多くが「居室」や「階段」で起こっているという統計もあります(消費者庁・厚労省調査より)。
本記事では、
- 「2階で寝ることのリスク」
- 「安全な睡眠環境の整え方」
- 「睡眠の質と生活改善」
を、はる店長の接客経験と最新統計を交えながら、わかりやすくご紹介します。
更新日:2025年9月
病院への受診ライン
- 転倒を繰り返す、またはふらつきが増えてきた
- 夜間頻尿で眠れず、日常生活に支障がある
- 睡眠薬を使っても眠れない/副作用が強く出る
- 認知症や心疾患、排尿障害の疑いがある場合
こうした症状があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。
【まずは結論!】
高齢者は階段の上り下りで転倒しやすく、特に夜間の移動は非常に危険です。
基本的には1階に寝室を移すことが望ましいですが、次の3つの選択肢を目安に考えると判断しやすいでしょう。
- すぐに1階に移すべき人
転倒やふらつきがある/夜間トイレが多い/心臓や血圧などの持病がある - 安全対策を強化して2階生活を続けられる人
体力がまだ十分にあり、家族のサポートもある - 将来に備えて準備を始める人
今は問題ないが、数年後を見据えて計画したい

睡眠の質や夜間頻尿の改善もあわせて行うことで、心身ともに安心できる生活が続けられます。詳しく説明していきますね!
高齢者の生活環境と事故リスクの実態
● 高齢者の住宅と事故リスク
- 65歳以上の高齢者のうち、82.7%が持ち家に居住(総務省統計局)
- 家庭内での事故は「居室」45.0%、「階段」18.7%、「台所・食堂」17.0%に集中(消費者庁調査)
- 転倒の原因は「つまずき」34%、「滑り」25%、「踏み外し」12%と、足元のトラブルが70%以上
- 後期高齢者(75歳以上)の転倒事故は、前期高齢者の2倍以上。転倒による骨折の78%が入院を伴う重症(PMDAデータ)
● 夜間頻尿と睡眠障害の関連
- 夜間トイレの回数は60代で平均1回、70代以降で2回以上に増加傾向(日本泌尿器学会)
- 夜間頻尿は「夜間に1回以上排尿のために起き、それが負担と感じる状態」
- 睡眠の中断により深い眠りが妨げられ、認知症やうつ症状にも関連
- 夜間の階段移動は、ぼんやりとした意識・暗さ・筋力低下が重なり危険
高齢者が2階で寝ることの6つのリスク

「まだ元気だから大丈夫」と言っていた方でも、ある日突然転倒して骨折…というケースを何度も見てきました。将来のことを考えて、早めの環境調整が本当に大切です。
1. 転倒リスク(夜間トイレ・中途覚醒)
- 60歳を過ぎると、夜間のトイレ回数が増加。
- 寝起きのぼんやりした状態で階段を降りる行為が転倒の主原因に。
- つまずきや踏み外しによる骨折は、寝たきりのきっかけになりやすい。
2. 体調不良時の移動困難
- 発熱・関節痛・立ちくらみなどの症状時、2階から1階への移動は大きな負担。
- 救急搬送時に搬送が遅れるケースも。
3. ヒートショックの危険性
- 冬場、暖かい寝室と寒い階段の温度差で血圧が急変。
- 心臓や血管系のトラブルにつながる可能性あり(日本医師会)
4. 熱中症リスク(夏場)
- 2階は屋根からの熱で温度が下がりにくく、就寝中の脱水や熱中症のリスクが増加。
5. 災害時の避難困難
- 火災・地震時に2階からの避難が遅れやすく、階段が崩れて閉じ込められる事例も。
6. 将来的な介護の負担
- 夜間介助が必要になった場合、階段移動は介助者にも大きな負担。
安全な住環境と睡眠の質を整える工夫

「夜中にトイレに行くときに電気をつけずに…」そんな習慣が、実は一番危ないんです。ほんの少しの工夫で事故を防げますよ。私の母も足元灯で安心感が増したと言っていました。
● 寝室を1階に移すメリット
1階に寝室を移す際は、ベッドの高さ・立ち座りのしやすさ・安全性などにも配慮が必要です。
- 階段利用の削減で転倒リスクを根本的に低下。
- 家族の目が届きやすく、介護もスムーズ。
- 将来的な身体変化にも対応しやすい。
● やむを得ず2階で寝る場合の対策
- 階段に両側手すりを設置、明るい照明を確保。
- 寝室にポータブルトイレを設置(介護保険利用可)
- トイレの増設(費用目安:100〜300万円)も検討。
● 睡眠の質を改善する工夫
睡眠の質を整えることは、転倒リスクの軽減だけでなく、生活全体の安定にもつながります。
- 起床・就寝時間を固定、朝の光を浴びる
- 日中の軽い運動(ストレッチ・散歩)
- 昼寝は30分以内に制限、カフェインは午後以降避ける
- GABA・グリシンなどのサプリを検討(医師と相談)👉 高齢者におすすめの睡眠サプリとは?
- 市販薬は「睡眠改善薬」表示のものに限る(第一類は要注意)👉 高齢者の市販睡眠改善薬の選び方
まとめ
60歳を過ぎたら「2階で寝ることにはリスクがある」という意識を持つことが、安全な暮らしの第一歩です。
👉 転倒や夜間頻尿で不安がある方は早めに1階へ移動、
👉 体力がある方は安全対策を強化して継続、
👉 まだ元気な方も将来を見据えて準備を始める。

ご自身やご家族の状況を当てはめながら、この中でどれに当てはまるかを考えてみてください。小さな工夫から始めるだけでも、安心感が大きく変わりますよ。
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