はじめに
「どの便秘薬を選べばいいか分からない」──ドラッグストアで日々よく聞くお悩みのひとつです。
便秘薬には「出し方の違い」によってさまざまな種類があり、体質や生活スタイル、便秘のタイプによって向き不向きがあります。
この記事では、登録販売者で現役ドラッグストア店長の視点から、便秘薬の種類ごとの違いや選び方、店頭でよくある質問とその答えまで、実体験も交えて分かりやすく紹介します。
便秘薬の主なタイプと特徴
タイプ | 特徴 | 向いている人 | 代表的な成分・商品例 |
---|---|---|---|
刺激性下剤(大腸刺激) | 腸の動きを強く促す | とにかくすぐ出したい人、旅行前など | ビサコジル(コーラック)、センノシド(ビューラック) |
浸透圧性下剤 | 腸に水分を引き込んでやわらかくする | 便が硬くて出にくい人、高齢者 | 酸化マグネシウム(スラーリア、マグミット) |
膨張性下剤 | 腸の中でふくらみ刺激する | 習慣づけたい人、軽めの便秘 | プランタゴ・オバタ(バルコーゼ) |
潤滑性下剤 | 便のすべりをよくする | いきみにくい人、痔がある人 | ジオクチルソジウムスルホサクシネート(イチジク浣腸) |
坐薬・浣腸 | 肛門から直接作用、即効性あり | 今すぐ出したい/トイレがすぐ使える状況 | グリセリン(新レシカルボン坐薬、イチジク浣腸) |
あなたの便秘タイプをチェック
便秘にも種類があり、タイプによって合う薬が変わります。自分の便秘タイプを知っておくことで、より効果的な薬の選び方ができます。
タイプ | 特徴 | 向いている薬 |
---|---|---|
弛緩性便秘 | 腸の動きが弱い/女性や高齢者に多い | 大腸刺激性下剤(センノシドなど)、マグネシウム系 |
けいれん性便秘 | ストレスや自律神経の乱れが原因/便がウサギ状にコロコロ | 浸透圧性下剤(酸化マグネシウム)や整腸剤、刺激の弱い薬 |
直腸性便秘 | 便意を我慢することが多い/高齢者や忙しい人に多い | 坐薬・浣腸など直腸刺激タイプ |
タイプは自己判断が難しい場合もあるため、心配な方は医師や登録販売者に相談を。
- 「急ぎで出したいか」「継続的に改善したいか」でまず分けましょう。
- 慢性的な便秘の方には、刺激性下剤の連用は避けるのが基本。
- 夜寝る前に飲んで、朝スッキリしたい方にはビサコジル or センノシド系が人気。
- 高齢者・妊婦の方は**マグネシウム系(非刺激)**が安全性高くおすすめ。
- 食事量が少ない方や、水分摂取が少ない人には「膨張性」「浸透圧性」は効果が出にくいことも。
薬に頼らない便秘改善のコツ(店頭でよく伝える話)
便秘薬は補助的な手段であり、生活習慣の見直しが根本的な改善には欠かせません。以下のようなポイントも意識してみましょう。
- 水分補給を意識する:1日1.5~2Lの水をこまめに摂取
- 食物繊維を摂る:野菜・海藻・豆類・きのこなど
- 朝のトイレ習慣をつける:毎朝同じ時間にトイレに座るだけでもOK
- 適度な運動:腹筋が弱ると排便力も落ちるため、散歩や体操を習慣に
これらを継続しながら、必要に応じて便秘薬を活用することが理想です。
Q:便秘薬は毎日使っても大丈夫?
A:刺激性下剤は毎日使うと効きにくくなることがあります。非刺激性(酸化マグネシウムなど)なら比較的安全ですが、長期使用は医師の相談を推奨します。
Q:妊娠中でも使える薬は?
A:基本は医師の確認が必要ですが、「酸化マグネシウム」は比較的安全とされています。ただし自己判断で使わず、相談のうえ使用してください。
Q:便秘薬を飲んでも出ないんだけど?
A:食事量・水分不足・運動不足が原因になっていることも多く、薬だけでは効果が不十分なことがあります。生活習慣の見直しもセットで行うのが大事です。
まとめ
✔ 便秘薬は「効き方」で選ぶのがコツ
✔ 刺激性は連用に注意、非刺激性は習慣化しやすい
✔ 商品名や成分に惑わされず、まずは便秘タイプを見極めよう
✔ 店頭では遠慮なく相談を。あなたに合った選び方を一緒に探します!
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